Saturday 14 November 2009

vol.303 【コラム】市橋劇場の結末とネット社会の包囲網 





2年前のリンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の重要参考人とされながら、逃亡を図っていた市橋達也容疑者が逮捕された。1000万円の懸賞金をかけられながら、完全整形で逃げ続けていた市橋容疑者はその整形写真が公開されるがいなや、メディアと国民の力で逮捕に至ったといっても過言ではない。
毎日のように市橋容疑者の整形後の写真がテレビやネットに掲載され、日本中が市橋容疑者の存在を警戒していたのだ。


10年、20年前とは格段に違っているのはインターネットのネットワークの力。特にアメリカの次に日本で爆発的人気を得ているtwitterの存在が、今後犯人目撃情報や、事件発生速報に力を発揮するのではないかと思っている。
市橋容疑者の整形後写真が公開された後、twitterにはすでに多数のひとが「似ている人をみた」という投稿をしていた。確証のとれるものではないが、まとめてみると福岡と名古屋、大阪という地名が一番多かった気がする。つまり、未確定情報のため今まででは口外せず消化してしまった情報が、twitterという気軽なツールを通すだけで格段に世間にリリースしやすくなるのだ。(警察が注目していたかは、定かじゃないが。)
またRT (re-tweet)という引用機能もあるため、誰かのつぶやきをみた人がそれをRTとして投稿し、RTの連鎖が起こるとその情報はものすごい早さで人から人へ広がることになる。
また写真投稿もできるため、逃亡犯や事件の目撃情報には大きな力を発揮できる。


ネットワークを使った国民の包囲網に逃げ切れなくなった市橋容疑者。
情報がここまで高速に伝導する今、彼が恐れているのは、誰にも言わずにきた心の闇が一瞬にして日本中に伝わり、暴かれることだけである。

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