Tuesday 12 January 2010

vol.323 【コラム】氷上でみせるそれぞれの人生



年末のフィギュアスケートの全日本選手権は本当にすごかった。旅行先で見ていたにもかかわらず、旅行先でテレビに見入ってしまった。
フィギュアスケートで胸がドキドキしたのははじめて!選手たちの緊張が画面を通してでも伝わってきたし、浅田真央さんの気迫と鈴木明子さんの勢いは尋常じゃなかった。
前回の世界大会で、安藤美姫さんがオリンピック内定を決めた時の鬼気迫る感じに似ていた。


安藤さんはプライベートが演技にでる選手だと思っている。感情型のため良くも悪くもそれが表現力となって表にでる。彼女の人生経験が演技に深みを持たせて、最近では過去にみなかったような表現力が爆発している。
鈴木さんは、摂食障害から復活してきた。一度はあきらめそうになるも、前回のオリンピックで優勝した荒川静香さんの演技をみて再起を誓ってここまできた。フリーの演技で見せた「ウェストサイドストーリー」は、スケートを滑れるという喜びを一番しっている彼女だからこそ演じられた「氷上のマリア」だった。


真央さんの場合、とにかくスタイルといいテクニックといい完璧。
韓国のキムヨナより素人目からみても勝っているのはわかる。足りないのは表現力、とは呼ばず、これからの「人生経験」。
不思議なもでフィギュアスケートってプライベートも力の一部なんだろうなーと思ってみていた。
天真爛漫で可憐な中に、少しの「悲しみ」や「怒り」がスパイスとなって入ってくれば完璧。
でもそれは、自分が身を持って体験しなければ、身にはならない。練習して身につけるられることではないからだ。


女の場合、絶対、と言っていいほど「恋愛」から学ぶことが多い。悲しいことも、うれしいことも、ジェットコースター並に味わえる。もちろん恋愛だけではないけれど、一番学びやすいフィールドだと思う。真央さんがこれを手に入れたとき、どうなってしまうのだろうか。私は今からそれが楽しみなのだ。


今回の全日本での真央さんはフリーの演技を難易度が高いと言われた「鐘」を選んできた。
これがまた完璧だった。赤と黒の衣装もあり、蝶のように舞う可憐なイメージではなく、今プレッシャーと共に戦いに挑む強い気持ちを、自分の中にすべて落とし込んだのだ。重い鐘の鳴り響く気迫のなかには新しい浅田真央がいた。
なんと演技をしながらその経験を力にして成長していたのである。これには驚きを通りこして、今でも震えそうなほど感動している。




安藤美姫さん、浅田真央さん、鈴木明子さん、バンクーバーオリンピック応援してます。
さて、この3人どんなストーリーを見せてくれるのか。








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