Wednesday 9 September 2009

vol.278 【コラム】2001.9.11


2001年9月11日、あの日私は友人とカフェで待ち合わせていた。東京は残暑の強かった日の夕方。アイスコーヒーが終わりかける頃、携帯に何気なく目をやると「緊急速報」という見たこともないメールが来ていた。
「ニューヨーク貿易センタービルに旅客機が激突。」たわいのないおしゃべりで溢れる店内で私はひとり、この後のメールでさらに真っ青になる。「2機目の飛行機がニューヨーク貿易センタービルに激突。国防総省ペンタゴンにも旅客機が墜落。」これは、事故なんかじゃない、と思った時、遅くなってごめんね~と現れた友人に私は言った。
 「アメリカがすごいことになってる‥。」
 外に出るとものすごい低空飛行で自衛隊の飛行機が飛んでいて、思わず私たちは無言になる。街頭のモニターが煙を上げる世界貿易センタービルを映し出していて、そこにいる人たちはただ呆然とその映像を見ていた。
「‥これって戦争じゃない?」私たちは顔を見合わせて言った。生まれて初めて「戦争」を過去の出来事としてではなく、今の現実として実感した瞬間だった。アナウンサーが「現在、日本上空の航空機も所在確認を急いでいます。」とただ事ならぬ様子で呼びかけている。
2001年9月11日、変わることなく続いていくだろうと思っていた平和が、こんなにもろい土壌の上で成り立っていたことを実感させられた日。
never forget.  

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