Monday 13 October 2008

vol.138 【コラム】アイドルの死は永遠の謎に

 
俳優の峰岸徹さん(享年65)が肺ガンのため死去。先日の緒方拳さん死去の衝撃が醒めやらぬうち、またも名優がこの世を去った。
峰岸徹さんと言えば、1987年におきた人気絶頂のアイドル岡田有希子さん(享年18)の自殺の原因だと言われていた。彼女の部屋からみつかった日記に彼の名前が記されていたのである。その当時彼女の自殺をうけて記者会見を開いた彼は、「兄弟のようなつもりでいた。もしかしたら彼女にはそれ以上の何かがあったのかもしれないけど。」と早口で答えた。その後、「もし彼女の日記に僕の名前があるならば、それは迷惑な話だ。」と話したとも伝えられた。

当時まだ小学生だった私にも、この衝撃的なニュースは覚えがある。
彼女のヒット曲「くちびるNETWORK」は小学生の私でも好きでよく口ずさんでいた歌だったのだ。(ちなみに作曲は坂本龍一、作詞は松田聖子という異例の組み合わせ)
彼女は松田聖子とはまた違う独特のオーラを持っていて、竹内まりやなどが提供する楽曲も歌いこなせる歌唱力もあった。まさにこれからの時だった。

彼女はその日、午前中に青山の自宅で自殺未遂をはかり、病院に運ばれている。後日わかったことは、前日休日だった彼女は友達と映画を見に行った先で、峰岸に電話をかけたと言われている。しかしその時電話にでたのは、女性の声だった。
その次の日の朝泣きじゃくった状態でガスの匂いのする部屋から救出された。大事にはいたらなく病院で許可が降りると、事務所の関係者が彼女を会社に連れて帰った。その頃世間は、アイドルの自殺未遂に大混乱になっていて、事務所にも人が集まりだしてきてくる頃だった。しかし、事務所の人間が一瞬目を離したすきに、屋上まで駆け上がった彼女は一気に飛び降り自殺をしてしまう。四谷のサンミュージックの自社ビルからだった。 

彼女は前日の夜峰岸に家に行っている。後日タクシーの運転手が早朝に泣いてボロボロになった彼女を峰岸の家があった成城から東京駅(実家の名古屋に帰ろうとした?)まで乗せたと証言した。
きっと気持ちの整頓がつかなくなった彼女は、彼に助けにきてほしかったんじゃないかな。でもうまくいかなくて、世間だけが大騒ぎになってしまった。彼には迷惑をかけただけで、どうにもならなくなった彼女は一気に飛び降りてしまったのかもしれない。まだ18歳。彼女には初めて体験した大人の恋愛だったのかもしれない。

この事件には石原軍団の関与や、峰岸は当て馬で裏に本当の原因となったひとがいる、などという噂も数多くあるけれど、私はもっとシンプルだと思う。汚れた芸能界の中で、彼女だけが純白だっただけだ。
結局、その会見以降、峰岸は彼女について語ることはなかったということになる。
そう永遠に。
ロスで自殺したロス疑惑の容疑者三浦元社長が謎を残したままこの世を去ってしまったように、こちらも大きな謎を残して、、、、ということになる。

峰岸徹さん、三浦元社長、緒方拳さん心よりご冥福をお祈りします。


ドンピシャの歌詞なのか彼女の気持ちが伝わってきます。
その表情からも鬼気迫るものが。


No comments: