Thursday 3 February 2011

vol.417 不思議な白いきつねのお話



うちのおばあちゃんは、生まれてから三か月何も食べなかったらしい。
そして、どこも悪いところもない。
でもある日、
最後の神頼みで、お祓いをして、改名した。

そしたらその次の日の朝、おばあちゃんの枕元には真っ白なきつねの毛が
山もりになっていたらしい。
それから、家の土地にしっかりと祀ることにした。
そして、それからおばあちゃんは元気に育った。

この話は、実家で庭師として働いていた
「富さん」というおじさんから聞いた。
富さんは、おばあちゃんが本当の兄のように慕っていた人で、
身寄りがなく、
うちで庭師として働いていたかと思えば、
忽然と姿を消
またひょっこり現れる謎のおじさんだった。

おばあちゃんが亡くなる少し前、
このお富さんはいつものように姿を消したきり
二度と戻ってこなかった。
おばあちゃんより10歳年上と言っていたから、
もうかなり歳だったと思う。

そんな富さんから子供のころに聞いた白いきつねのお話。

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