でも女の子は一度だけ、夜中の12時過ぎに鐘の音を聞いたことがある。
眠れない夜。
屋根裏部屋にある大きな時計は、ほこりをかぶったまま動いていないのに。
嵐の過ぎた静かな夜だった。
カーテンの隙間から差し込んできた月の光が部屋を照らしている。
でも女の子は今日も眠れずにいた。
(今日は鳴らないのかな?あの時計。)
一度だけ屋根裏部屋でその時計をみつけた時、ママはこう言った。
「パパのおじいさんが大切にしていた時計よ。もう壊れているけど、重くて動かせないの。」
きれいな模様がついているのに、そこは錆びて茶色になっている。針は12時できれいにかさなったまま止まっている女の子の背丈より高い大きな時計だった。
でもそれから数日たったある眠れない夜、
ボーン
きれいな音で時計が鳴った。
きっとあの時計の音だと思ったけれど、なんだかこわくて女の子はベッドの中から動けなかった。
そのすぐ後、
月明かりに照らされて窓の外を横切る影を見た。
何かわからないけれど、大きな影。
その日も月明かりが窓から差し込む静かな夜だった。
そう、ちょうど今夜みたいに。
つづく
眠れない夜。
屋根裏部屋にある大きな時計は、ほこりをかぶったまま動いていないのに。
嵐の過ぎた静かな夜だった。
カーテンの隙間から差し込んできた月の光が部屋を照らしている。
でも女の子は今日も眠れずにいた。
(今日は鳴らないのかな?あの時計。)
一度だけ屋根裏部屋でその時計をみつけた時、ママはこう言った。
「パパのおじいさんが大切にしていた時計よ。もう壊れているけど、重くて動かせないの。」
きれいな模様がついているのに、そこは錆びて茶色になっている。針は12時できれいにかさなったまま止まっている女の子の背丈より高い大きな時計だった。
でもそれから数日たったある眠れない夜、
ボーン
きれいな音で時計が鳴った。
きっとあの時計の音だと思ったけれど、なんだかこわくて女の子はベッドの中から動けなかった。
そのすぐ後、
月明かりに照らされて窓の外を横切る影を見た。
何かわからないけれど、大きな影。
その日も月明かりが窓から差し込む静かな夜だった。
そう、ちょうど今夜みたいに。
つづく
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